宿便と腸内微生物

腸の微生物状態

例えば、牛乳や大豆をテーブルに数日間放置したらどうなるでしょう。当然、腐って飲めなくなります。
腐るということは、牛乳や大豆に大量の腐敗性の微生物が繁殖したということです。
腐敗性の微生物には気の毒なのですが、これを「悪い微生物」と呼ぶとします。
悪い微生物は牛乳や大豆を分解して、身体によくない成分を作り出しますから、それを飲んだり食べたりすれば当然、下痢をするなど体調を崩すことになります。
いっぽう、身体によいものを作り出す「良い微生物」もいます。この「良い微生物」を牛乳や大豆に繁殖させると、牛乳はヨーグルト、大豆は納豆、味噌、醤油など健康に良い食品になります。
上の図はそれを示しているのですが、同じ微生物の繁殖でも、良い微生物の作用する発酵と、悪い微生物の作用する腐敗では身体に与える影響は180度違ったものになってしまうのです。

同じことが私たちのお腹の中でも・・・

ところで、人間の頭のてっぺんからつま先まで、細胞の数はいくつあるかご存知ですか?
人間の細胞の数は60兆個といわれています。そして、私たちのお腹の中にはそれを上回る、100兆個ともいわれる腸内微生物が住んでいます。
私たちの身体に住む100兆個といわれる微生物の数がいかに膨大な数かということが分かりますね。
さて、この微生物たちが良い微生物の「善玉菌」が多いか、悪い微生物の「悪玉菌」が多いか、それによって腸の中でも先ほどの牛乳や大豆と同じように、この良い微生物が繁殖するか、悪い微生物が繁殖するのかの違いがおきているのです。
左の図に示したように、善玉菌の多い腸内では、食べたものが発酵して身体によいものとなり、善玉菌が消化吸収を助け、腸の働きを良くしています。
反対に悪玉菌の多い腸内では、食べたのは腐敗して毒素を出し、悪玉菌が栄養の吸収を妨げ、腸の働きを悪くします。
腸内においては、善玉菌が多いか、悪玉菌が多いか、それが重要な決め手となります。

「腐ったもの、食べますか?」

私たちは、腐った食品は食べませんが、腐っていない食品にお腹の中で悪玉菌が作用して、腐敗しような状態になることもあるのです。
この、悪玉菌の温床が長い間、腸内に留まってしまう便。いわゆる宿便と呼ばれているもので、その最大のリスクが便秘です。
便秘の方は、悪玉菌が増えやすくなり、悪玉菌が増えると便秘しやすくなるという、悪循環におちいり、腸の働きが鈍いため、腸のシワに入り込んだ便のカスなどの排出もうまくいかず、便が腸に長く留まることになります。
腸内環境は悪化し、長く残留する便が腐敗し発生した毒素を腸が吸収して、大腸癌をはじめ糖尿病、心臓病などの生活習慣病の遠因になり、また、食欲不振、吐き気、肩こり、腰痛、頭痛、めまい、肌荒れ、湿疹、などを引き起こしたり、最近ではアトピー性皮膚炎、肝臓病、腎臓病など様々な病気とのかかわりも指摘されています。

少し深く突っ込んだ話し
このページでは、善玉菌と悪玉菌のどちらが多いかが、腸健康状態を左右すると簡単に書きましたが、実際は、善玉菌でも悪玉菌でもない「日和見菌(ひよりみきん)」というものが存在します。
日和見菌は、状況により善玉菌としても悪玉菌としても働く菌で、日和見菌の数はふつう善玉菌と悪玉菌を足した数より多く、善玉菌と悪玉菌の比率により、善玉菌が多ければ善玉菌の働き。悪玉菌が多ければ悪玉菌の働きをします。
人間の社会にも良くいそうな菌ですね。(笑)

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