宿便とはどんあものか

宿便とは何かという問題

「宿便とはどんなもの?」

女性雑誌やダイエットの広告などに「健康な人でも3キロ〜5キロの宿便が・・・」というような記述を見かけます。
ダイエットの広告にはその宿便を出せば、3キロ〜5キロ体重が減るような書き方もあります。はたして、宿便とはどういうものでしょうか?
以前よくあった浄水器の宣伝で水道管の切断面の写真なのですが、水道管を切断した断面が鉄サビで半分以上塞がれているような写真を見たことはないでしょうか。
多くの方が宿便に関しても、あの鉄サビと同じようなイメージで腸の中にベットリと腸を塞ぐように宿便がはりついていると思っている方が意外に多いのです。
多くの方が、上の図のようなイメージを持っています。
しかし、上の図ように腸を塞ぐようなかたちで、ベットリと宿便があるということはありません。
これは、絶対にありません。

それでは宿便とは、何?

私は、宿便より残留便という言い方を好むのですが、宿便という言い方が一般的なので、通常、宿便を使っています。
つまり通常、健康の問題になる宿便とは【残留便とは】腸の中に停滞あるいは残留する便と理解しています。
こんな実験があります。
食事と一緒に小さなガラス玉を食べさせて、そのガラス玉がどのくらいで排泄されるかを調べた実験です。
この実験によると70%が、72時間以内に排泄され、全てのガラス玉が排泄されるまでに1週間かかる場合もあったということです。
ガラス玉と食品は違うので一概にいうことはできませんが、食べたものの大部分は24時間〜72時間で排泄されますが、残りの便は腸の中で停滞、残留しているということが分かります。
この残留する便、これが問題になるものです。
人間の腸は、シワやヒダのようなものがあり、そうした部分に便が引っかかって、腸の中に長く留まってしまっているものと思われます。
実験は、便秘ではない正常な排便のある人で行われましたが、便秘の方の便は、もっと多くが長い時間残留するものと思われます。
こうした残留する便を宿便と考えますが、このような便を長く腸にとどめず、早く排泄する(便秘の方は解消する)ことが健康のカギとなります。

腸の微生物状態のバロメーター

腸の働きが悪く、お腹の中に宿便【残留便】が長時間停滞する場合、腸の中の微生物状態も当然悪く、悪玉菌が多くなります。
逆に腸の働きがよく、宿便【残留便】の残留がほとんどない腸では善玉菌が多く、その人は健康体です。
さて、それでは自分のお腹の中の微生物状態は、善玉菌が優位か、悪玉菌が優位か気になるところですが、実は簡単に判断が出来るバロメーターがあります。
そのバロメーターが、便の臭いです。
腸の中で善玉菌が多く、働きのよい腸では便は臭くないのです。
反対に悪玉菌の多い、働きの悪い腸では腸の内容物は悪玉菌により腐敗し、悪臭があります。
治療所でこの話しをすると「えっ〜、便って臭いものじゃないんですか?」とよく聞かれますが、そうなんです、腸の健康な人の便は臭くはないのです。

できれば24時間で排泄したい便

健康を考えれば、24時間で排泄するのが理想とされていますが、少なくても口から食べたものの90%以上が24時間〜48時間には便として排泄されるというのが望ましいことです。
これは、ただ毎日排便があるというだけではなく、残留する便、いわゆる宿便のようなものがなく、新たに口から入ってきたものと、消化済みのカスとが、きちっと入れ替わっていくというイメージです。
上と下の図はイメージで表現するために作ってみたのですが、あまりいい出来ではないようですが、勘弁してください。
↑上の図は、便がスムーズに流れている様子を表しています。
↓下の図は、便が流れている反面、便のカス、残留便(宿便)が滞りながら、腸の中を流れいる様子をイメージ的に表しています。
何となくでも、お分かりいただけたでしょうか?。
口から入った食物は、きれいに消化され、排泄される便は、なるべく残留便、宿便としていつまでも腸内に滞ることなく速やかに排泄されるのが良いということです。
毎日排便のある方でも、便を残留させないことが重要ですから、便秘の方は特に、便秘を解消してお腹をきれいにすることが大切です。

少し深く突っ込んだ話し
さて、腸内に停滞する便は、できるだけ早く出すに越したことがないのは分かるけど、どのくらいの時間なら問題なくて、どのくらいいの時間だと残留便、宿便としての問題がでてくるのか?。
こんな疑問があると思います。しかし、これには明確な線引きが出来ません、なぜならば便の質が場合によって違うからです。
残留便、宿便として腸内に長く留まる便は、腐敗性の強い便と比較的腐敗性の弱い便があり、腐敗性の強い毒素を多く出す臭い便は、それ自体腸の働きを弱め便秘を促進させる働きがあります。
こうした便はできれば24時間以内に出してしまうのが良いのですが、腐敗性の弱い便では、体に悪影響を及ぼす毒素をそんなに出さないためにある程度、腸に留まっていてもリスクは少ないでしょう。
それでは、腐敗性が強い便と腐敗性が弱い便、何が分かれ目でしょうか?。
これは食事【食べもの】です。
ごく簡単に言えば、植物性の食物は腐敗性が弱いです。そして、動物性の食物は腐敗性が強いです。
こういうと「牛や豚、鳥などの肉はいけないけど魚はいいんだろう」と考える方もいるかもしれませんが、牛や豚より魚のほうがヘルシー、鳥肉などもささみがヘルシーといわれるのは、脂肪、コレステロールの話の中でいわれるのであって、腸の健康という枠組みの中では肉も魚も同じように動物性の食品です。

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