プチ断食で宿便を出す

宿便と断食について

断食道場で、あるいは自宅でのプチ断食で宿便が出るという情報を、よく雑誌やネットで目にしますが、なかなか額面通りにうまくいかない方が多いのではないでしょうか。
情報では、宿便は黒いもので、2・3日断食をしたらすぐにそうしたものが出るだろうとか、半日のプチ断食をしたら、黒い宿便がドバーッと出るなどと書いてあったりしますが、実際にやってみるとそう簡単にはいかない方が多いと思います、私の経験では、そう単純なものではないと言いたいです。
私の印象では女性雑誌などは調べが浅く短絡的で、何かといえばダイエットに結び付けたがります、またネットの情報は他のページの書き写しか、個人的な体験談が多いように思えます。
ですからご自宅でプチ断食などをして宿便を出し、健康を改善しようとする方にどこまで参考になるかなと疑問が残るところです。
実際に治療の現場で何百人、何千人の方々と接してきて思うのですが、多くのネット、雑誌の情報のように、そんなに簡単なものではないというのが正直な感想です。
多くの方が思っている断食と宿便に対する理解は間違っている、あるいは情報が足りないと思います。

断食したが宿便が出ない

多くのネットや雑誌などに「断食をすると宿便が出る」と短絡的に書かれていますが、断食をして便秘になる方もとても多くいます、その場合どうするかの対策は次のコーナーにゆずりますが、判で押したように断食をしたらプチ断食で、宿便が出るという単純なことはありません。
このホームページは、全体として宿便について深い理解を持っていただき、宿便を出すことにより健康を改善する、あるいは維持する具体的な方法をお伝えすることを目的にしています。
ですから、できればホームページの初めからお読みいただく方が、宿便を取り巻く情報をよりよく理解していただけます。
宿便と便秘TOP
このページでは、断食と宿便の関係、空腹の生理の活用について、もう少し理解を深めていただき、次の宿便の出し方・解消法のコーナーで具体的な解決策につなげていきたいと思います。

昔からあった空腹の生理の活用

断食あるいはプチ断食で宿便を出すことは、私の言い方では空腹の生理の活用とお伝えしましたが、こうした原理は昔から活用されていました。

アーユルヴェーダの断食

インド健康哲学のアーユルヴェーダの教えの一つに、ある期間絶食をして腸の中にアーマ(身体の毒素)を出し、緩下作用のあるハーブを飲んで身体の悪いものを排泄するというのがありますが、これも私的には空腹の生理の応用になります。

日本でも昔から

日本でも昔から断食中に緩下作用のあるものを飲むというのはあります。
古来からの知恵として、断食の最中に緩下作用のあるものを飲み、身体の毒素を排泄するということは様々な宗教的な教え断食のシーンで行われてきました。
その時に出る便をずっと腸の中にとどまっていた宿便だと説明している場合もありますが、これは、ここまでお話しを理解していれば、それが誤解だと分かると思います、こうした宿便は空腹の生理により出てきた排泄便で、ずっとお腹にたまっていた種類の宿便ではありません。
ここからは更に空腹の生理の話を深めます。

腸造血説 千島学説

私が健康にかかわる仕事をするようになって長年答えを求め続けているのは「健康な人と不健康な人を分けているものは何か?」という問題です。
治療師になって間もない頃、私の健康観に大きな影響を与えた医学者がいますが、それが千島喜久男博士です。
千島博士の学説は西洋医学会では否定されていますが、リベラルに医学や健康を研究する人々や断食の研究者には多くの支持を受けています。
千島博士の学説(千島学説)においては腸造血説という腸管による造血を提唱しておられますが、私が治療所やホームページでお伝えしている、健康には腸が大切、食べ物が大切、空腹の生理で毒素を出す、断食中の腸は排泄の器官として働く、などの考え方は、千島博士の「腸造血説」がもとになっています。
腸造血説を簡単に説明すると、通常の医学では赤血球は脊髄で造られることになっていますが、腸造血説では、それが腸で造られるという説です。
腸で造られた赤血球が身体の各組織で変化して体細胞になるというものです。
腸造血の図
たぶん一般の方がそう聞いても「へぇ〜」程度の感じ方だと思うのですが、実はこれは医学の世界がひっくり返るような大変な意味を持ちます。
西洋医学では細胞は細胞分裂によってのみ増えることになっていますが、それが食べたものをもとに細胞が出来上がると言っているのですから、「食べた物が血となり、肉となる」ということが文字通り正しいことになります。
もしこのように常識が変わった場合どのようになるか、ガン治療を例にとってみると、現在の医学では何らかの要因で突然ガン細胞に変化した細胞がとめどなく細胞分裂を繰り返すことになっていますから、なるべく早くガン細胞を切りとるか抗がん剤で死滅させるかしなくてはいけないということになっています。
しかし、千島学説に従えば、食べ物をただすことや断食をすることで自然にガン細胞はなくなっていくということになります。
ガンになった人の圧倒的に多くが、手術や抗がん剤などの治療をしていますが、何パーセントの人が良くなるか治療のパーセンテージを比べれば、食事を正す方が圧倒的に成績が良いです。
西洋医学が千島学説を認めることは、ドル箱であるガン治療からの利益を手放すことになりますので、千島学説は現行医療制度のもとではなかなか認められません。
さて、千島学説は腸での造血を説いていますが、その先の「赤血球と各種細胞組織との間の可逆的分化説」というのもあります。
簡単に「可逆的分化説」としますが、この可逆的分化説が断食をして宿便を出すことが、身体の排毒、デトックスにつながるということの根本理論になります。
その可逆的分化説を簡単に言うと、腸造血理論の食べた物が血となり、肉となることの逆で、食べ物→赤血球→体組織が可逆的になるということです、つまり体組織→赤血球→食べ物(宿便・排泄便)ということです。
下の図を見てください。
可逆分化説の図
つまり、断食などで食べ物が入ってこない状態では赤血球が造られないので、身体の組織細胞が赤血球に逆戻りするといことです、さらにその赤血球が腸管をとおして腸管内に宿便というかたちで捨てられるということです。
腸が栄養を取り込むのと逆の働きをするということです。
この時、腸管内に捨てられるのは、体内の毒素や老廃物を含んだ組織、身体のいらなくなった組織、脂肪組織などが優先的に排泄されます。
この赤血球と組織細胞の可逆的分化は、断食あるいはプチ断食などあるていど食事の制限された状態でしか起こりません、空腹状態特有の身体の生理機能ということで、私は空腹の生理と言っています。
最後に、私の空腹の生理という言い方は、千島学説の簡便化、あるいはアレンジ型ということになり、考え方の根幹は千島博士の学説に起因します。
もし千島博士の理論に照らして、私の理論に誤解があるならば、それは私の責任ですし、また、腸のダイナミックな働きについて、組織細胞の可逆的変化という、素晴らしい着眼や発想などはすべて千島博士の功績です。
私は、勉強させていただき、一般にわかりやすいように空腹の生理、満腹の生理と私なりにデフォルメしてお伝えしています。
以上が、断食と宿便の関係、腸の特殊な働き、空腹の生理、などについての説明です。 この辺のことを理解いただければ次の「宿便の出し方・解消法」コーナーの具体的な解決策が良く理解していただけると思いますので、ここから次の宿便の出し方・解消法のコーナーに行っていただいてよいです。
この先は、こうした話をした場合の良くある質問を書いておきますので、該当の質問がある場合はお読みください。
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断食と宿便でよくある質問

質問の目次です。
クリックで、質問と答えにジャンプします。
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西洋医学では骨髄での造血が証明されているのではないか?
骨髄での造血は生きた犬などを解剖し、骨髄を顕微鏡で観察することで確かめられていますが、この時、犬を断食状態にしないと観察できないということです。
これは千島学説の可逆的分化説にあたり、飢餓状態では体細胞が赤血球に変化するということにすぎません。
なぜ千島学説は否定されているのですか?
これはとても深い話になります。
あまり深入りしすぎるとかえって説明が困難になりますので、かいつまんで説明します。
長年健康を研究してきて、はっきりと言えるのですが「現代の医学は、医療から利益を得る人にとって都合の良いようにねじ曲げられています」決して人間の身体が本当はどういう機能で成り立っているのか、どうしたらみんなが健康に暮らせるのか、そんなことを鑑みいるわけではありません。
この前提で千島学説は現代の医療システムからの受益者にとって不利なのです。
逆の見方をすれば、人間の身体がどうなっているのか、健康に暮らすには何が重要かは、千島学説を念頭に置いて考えるのが有効ということで、多くの人がそれに気づきはじめ、千島学説が、近年また脚光を浴びつつあります。
どれくらいの時間食事をしなければ空腹の生理状態になるのですか?
食べた物にもよりますが12時間あるいは14時間くらい空ければ、空腹の生理状態なります。
長くなればなるほど、宿便の排出、排毒も効果的になります。
この辺は、次の宿便の出し方・解消法コーナーに詳しく書いてあります。
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