村上和雄先生を知ってますか?

宇宙時代の医学 その1

 

村上和雄先生という世界で初めてヒト・レニン遺伝子のゲノム解析に成功された遺伝子研究の第一人者の先生のエピソードです、レニン? ゲノム? 等のことは、今回どうでも良いので気軽に聞いてください。

 

講演会などで良く先生がお話になる有名な話は以下のようなもので、先生がヒト・レニン遺伝子の研究をしていた頃、その研究のトップを走っていたパスツール研究所を訪問した際、パスツールの研究員に「我々はゲノム解析に9割がた成功している、今からそれをしても追いつけないからサルの遺伝子解析をすると良い」といったようなことを言われ、世界的に有名なパスツール研究所では解析はほとんど済んでいると言われ、ヒトの遺伝子解析が済んだ後にサルをしてもしょうがないしということで、どうにも絶望的な気持ちでヨーロッパでの日程を過ごしていたのだそうですが、そんな中たまたま入ったドイツの酒場でビールを飲んでいると偶然にも京都大学の中西重忠教授がその店に入ってこられたそうです。

先生は、遺伝子研究でパスツールに差をつけられ行き詰っている現状の愚痴でも聞いてもらおうと中西教授に話しかけると「遺伝子の暗号解読というのは、90%上手く行っていても最後の最後でつまずいてしまうこともある。私にできることがあれば、最大限のバックアップは惜しまないので、ヒト・レニンの研究からは絶対に降りないほうがいい」と励ましと協力の言葉をいただいたそうです。 

 

そこで村上先生は、中西教授は遺伝子工学の分野で世界のトップを走る教授で、日本で会おうと思ってもなかなか会える人ではないのに、こんなドイツの田舎の酒場で会えるという偶然、また忙しい中、協力を惜しまないといってもらえる奇遇さなど、通常では起こりえない偶然が重なったことで「これは行ける」との直感が閃き、再びやる気がみなぎり、その後の予定をすべてキャンセルして日本に飛んで帰り、学生にハッパをかけ、より研究に力を入れたそうです。

 

その結果、パスツール研究所を逆転して、世界で初めてヒト・レニン遺伝子のゲノム解析に成功されたということです。

 

村上先生は、こうしたお話をはじめ遺伝子や人生にまつわる講演をよくされていました。

以上の話は、村上先生をご存知の方ならば、ほとんどの方がご存知のことなので、だいぶ端折って簡単に書いています。

今回お伝えしたいのは、この話ではなく私が個人的に聞いた村上先生のエピソードを紹介したくて書きました。

それが以下のエピソードです。

 

村上先生のエピソード

 

私は以前よく講演会や勉強会に出かけていました。その中のある勉強会で四国在住の方と知り合い一緒に酒を飲むことになりました。

その方を仮にUさんと呼ぶことにします。

 

Uさんが言いました「東京の人は良いですよね」私がどうした意味か尋ねると、こうした良い講演会などは四国ではほとんどなく、Uさんは聞きたい講演があると大阪や東京まで出てこなくてはならないとのことでした。

私も東京に住んでいるとその辺のことは感じないのですが、確かにこの講演に来るために四国から電車を乗り継いで来るというのは、大変だなと感じました。

 

そんなことを話しながら、話が深まり村上先生の話題が出たときです、Uさんが「以前、村上先生に講演を依頼したことがあるんですよ」と話しだしました。

よくよく話をお聞きすると、四国ではなかなか良い講演会がないので、ぜひ村上先生初め色々な良いお話を四国の方にも聞かせたいと講演会を企画したことがあるということでした。

 

「へえ~」と身を乗り出すように詳しい話を聞きました。

その講演会で村上先生に講演をお願いしたいのですが、村上先生の講演は聞いていても先生とは一面識もないので、どのようにアプローチして良いのかまったく分からず、とりあえず手紙を書いたそうです。

 

手紙の内容としては、まず四国で講演会を開きたい思いを書いて、ぜひ講師として村上先生にお越しいただきたい旨を書き、そのあと条件面を書いたということですが、それがとても素晴らしいのです。

まず、講演会を企画するのは、素人で初めてなのでおそらく利益はでない、なので講演のギャランティーはおそらくお支払できない、もし経費を差し引いてお金が残れば講師の方に均等にお分けします、しかし、お支払するのは難しそうなので基本的にノーギャラを覚悟してお願いします。

 

さらに素敵な条件は続き、往復の交通費もお支払できないので四国まで自腹でお越しいただきたい、さらに、宿泊する場合は宿泊費も自腹でお願いします。

こんな条件で、一面識もない村上先生に講演を依頼したそうです。

 

当時、村上先生は時の人で講演依頼は引きも切らない状態だったと思います。

そんな中、見ず知らずの四国の若者から手紙をもらい、ノーギャラで、しかも四国まで自腹で来て講演をしてほしい、さらに宿泊するならそれも自腹で、という依頼です。

私は「どうなりました?」と身を乗り出しました。

 

みなさん、どうなったと思いますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

村上先生は、講演に来てくれたそうです。

当日、Uさんは車で空港に迎えに行ったそうですが、迎えに行くときには震えたと言っていました。

私も村上先生が好きになりました。

 

次回に続きます。

 


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これからの医学, 雑談

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