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(1)右回りに六点を圧す
それでは、具体的なテクニックにうつります。
あお向けに寝転がるか、椅子にゆったり腰掛けるかして行います。
お臍を中心に六角形に六点ポイントを仮定して、一番上の点から時計回りに、一点三回圧します。
回る六角形の大きさは大きくしたり小さくしたりしながら、お腹全体を広く圧すようにしてください。回る大きさを大きくしたり小さくしたりしながら、五回りから十回りくらいを目安に圧して下さい。
目安がないと分りづらいので、いちおう回数を示していますが、回数はあくまでも目安なのであまりこだわらなくても結構です。
圧し方としては左右の人差し指、中指、薬指の三本の指をそろえて圧します。
親指と小指は多少浮かせぎみにした方がやりやすい方が多いのではないでしょうか、浮かせずにそろえて圧してもかまいませんが、いずれにしても圧すのは左右の人差し指、中指、薬指の三本の指が主になります。
圧す時間の大まかな目安としては、二秒くらいかけて圧し、一秒くらい止めて、三秒くらいかけてはなします。
秒数は大体の目安ですが、大切なことは、ゆっくり圧して、もう少しゆっくりはなすということです。多くの方が、ゆっくり圧して、早くはなすという逆のことをしがちなので注意して下さい。
次に、圧の強さですが、基本的には気持のちよい強さで圧してください、マッサージを受ける方がよく「痛いけど後が気持ち良い」「痛いくらいじゃないと効かない」という言い方をしますが、腸マッサージではありえない考え方です。
以前、治療所にこられた方が「自分でお腹のマッサージをしてみたんですけど、お腹が痛くなっちゃって・・」と言われたことがありますが、圧が強過ぎたためでした。私がお腹のマッサージをするとその圧の強さを感じて「私、痛いくらいのほうが効くかと思って、もっとぜんぜん強く圧してました」と言われていました。
圧に関しては強過ぎないことがポイントですが、かといって弱過ぎもせずです、こういうと難しそうに聞こえるかも知れませんが、難しく考える必要はありません、腸を刺激してすぐに便を出そうとか、痛いくらいのほうが効く、などという誤った観念がない限り心地よいと感じる力加減で正解です。
感じることでの注意
さて、前に感じることが重要と話しましたが、まさにこの手技が感じることが重要な手技です。
感じ方は、指先でお腹の状態を感じる感覚と、圧されたお腹のほうで感じる感覚があります。両方が重要なので両方同時に感じてください。
指圧の世界では診断即治療などといいますが、要するにお腹の状態を感じ取りながら圧すということです。
私たち治療師のように他の人を圧す場合は、手の感覚で相手の状態を感じ取るだけですが、自分でする場合には、お腹のほうでも圧された感覚を感じることができますので、その分有利ということもできます。
(アルバイトのような治療より自分でするほうが良いという根拠のひとつです)
手に感じる感触としては、お腹の中に硬い感じがあるとか、全体に硬い柔らかいなど感じることができると思いますし、お腹のほうで感じる感じとしては気持ちが良い、痛いなどの感じを感じ取れると思います。この両方の感じを感じ取りながら圧していくのですが、ここでひとつ、とても大切なことがあります。
お腹の構造を理解して圧すということです。
←左の図を見てください、これはお腹の断面で上がお腹の表面、下が内臓側です。大まかにいうと、お腹は皮膚の下に脂肪の層があり、その下に筋肉の層、その下に腸など内臓の層があるという構造になっています。腸マッサージで感じ取りたいのは一番下の腸など内臓の感触です。
一番上の脂肪の層は、厚い人もあれば薄い人もありますが、柔らかい層です。そして次の筋肉の層は少し厄介です、筋肉は力が入っているときは硬くなり、力を抜くと柔らかくなりますので、できるだけリラックスする姿勢をとってください。その上で、いよいよその下にある腸の状態を感じ取ることができます。
お腹の状態を感じながら圧すことがポイントです、と書きましたが状態を感じ取るべき場所はこの腸の部分(内臓のある層)です。
自分で腸マッサージをする際、脂肪の層を感じて「けっこう柔らかい感じです」という方もいますし、筋肉の硬さを感じて「硬いしこりがあります」という方もいますが、そこではありません、その奥の内臓、腸の感じを感じ取って下さい。
その腸のある深さの部分を感じようとすると、全体的に硬かったり、柔らかかったり、部分的に硬かったりと色々な感じを感じ取ることが出来ると思います。
腸や内臓の感じを感じることができるのは、腹筋の力が抜けているときだけです。腹筋に力が入るのは意識的に力を入れるとか抜くとかだけではなく、座り方、場合によっては寝方によっても無意識的に力が入ってしまうことがあります。つまり姿勢を保持するために力が入っていることがあるからです。
そこで、自分で腸マッサージをする場合の体勢についてですが、寝転がるか、ソファーのような椅子にゆったり座るかになります。座って腸マッサージをする場合、背もたれに身体をもたせかけるなどして、身体の力を抜いても姿勢が維持できる体勢をとるようにして下さい。
寝転がってする場合は、ほとんど問題はないと思いますが、テレビなどを見ながらしようとするさいに頭を持ち上げようとしただけでも腹筋には力が入りますので注意してください。
また、腹筋(腹直筋)が凝っているというケースもあります。腹筋(腹直筋)が凝っている場合は力を抜いても硬さがのこりますが、その場合は腸をほぐすのと一緒に腹筋もほぐしますので、力が抜けていればそのまま腸マッサージを行ってください。
ちなみにですが、腹筋(腹直筋)に力が入って硬いのと、凝って硬いのとでは、力が入って硬いほうがはるかにカチカチに硬くなり、凝って硬いのはそこまで硬くはなりません。
感じ取りながら圧すということを掘り下げます
脂肪の層ではなく筋肉のそうでもなくその下の、内臓、腸の硬さを感じ取りながら圧すわけですが、これは主に「硬さ」「やわらかさ」を感じます。
次に、指先が感じる感覚ではなく、お腹のほうが感じる感覚ですが、自分でお腹を圧した場合、普通は気持ちが良いか、ただ圧されているという感じで、場所によっては痛いと感じるところがあるという感じだと思いますが、人によってはたまに、どこを圧しても痛いという方もあります。
お腹のマッサージでは、圧したときに硬いと感じる箇所、痛みを感じる箇所への対処が問題です。
圧の強さは、気持のちよい強さで圧してください、とお伝えしましたが、圧したときに硬いと感じる箇所、痛みを感じる箇所、また、違和感、響き、引きつり感を感じる部分は圧を強くすることはせず、そのままかむしろ弱くするようにして、圧してみて不快でないかぎり圧す回数を増やしてください。また、あまり不快感があれば、その場所は圧さないで下さい。いちおうの目安として圧す回数を示していますが、圧す回数はお腹の状態により可変的です。
何回か圧しているうちに、硬かった部分の硬さが変化してくるか、痛みを感じた部分の痛みの感じが変化してくるかなど、手の感触やお腹の感じを観察しながら圧します。
同じ箇所を十数回程度圧したら、変化があっても無くても違う箇所に移り、その場を休ませます。あまり連続的に圧し続けてもほぐれないものです。
また、一日で硬いところが柔らかくなるまで、あるいは痛みがなくなるまでほぐそうと焦らず、数日かけて改善するつもりで行ってください。
自分で腸マッサージをする場合、一日で何とかしようではなく、数日かけてゆっくり改善するというセンスがとても大切です。
お腹の良い状態とは、全体にやわらかく、どこを圧しても気持ちよく(いやな感じがしない)そして、適度な弾力がある感じです。
(2)お腹を丸くこする
次にお腹を丸くこするテクニックですが、これは簡単です。
寝転がっても、座っても、立ったままでも結構です。その状態で、お腹を図のように、円を書くように手のひら全体でさすります。
右手でも左手でも結構です、時計回りに50回さすり、反対まわりに、また50回さすります。
まず50回さすり反対周りに50回さすって1セットとします。4〜8セットくらい繰り返してください。
力加減は、テーブルを拭く程度の力加減であまり強くしなくても良いです。時間をかけて、さすってあげることが重要です。
これは、お腹を圧したあと全体になじませるようなイメージがあります、そんなに難しさもありませんし、ことさら感覚を集中することもありません、ただゆっくり時間をかけてこすってください。簡単です。
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