習慣体質とは
便秘解消とダイエットのところでも少し触れました習慣体質の説明です。
この習慣体質という概念は便秘解消の決め手といえる概念で、今までお伝えしてきましたことがこれで完結します。逆に言えばここまでお伝えしてきたことも習慣体質を理解しないと便秘解消は、おそらくうまくいかないという大切な概念です。
便秘解消法を説明する多くの本やホームページで抜け落ちている部分だと思います。
こんな言葉を聞いたらどうでしょう「定期的に排便することが、便秘解消の決め手になる」。
矛盾を感じる方も多いと思います。定期的に排便できないから便秘であって、定期的に排便できていれば便秘解消の必要もないからです。それは真実です。
しかし、「定期的に排便することが、便秘解消の決め手になる」というのも一面の真実なのです。この一面の真実を理解していないことが多くの方の便秘解消をはばんでいます。
なぜ、これが一面の真実なのか? それが習慣体質にかかわってきます。
人間には習慣体質があるから、定期的に排便することが、便秘解消の決め手になるのですが、その辺を詳しく説明していきます。
習慣体質は医学用語ではなく、病気や症状を改善するうえで、それを用いると改善が容易になる一つのツールとして、私が考案し、好んで使っている概念です。
前にも使いましたが、分りやすいのでもう一度ダイエットを例にとります。
ダイエットについて多くの方が「痩せやすい体質に、体質を変える」と言います。しかし、そうした意味での体質は遺伝子な規定や加齢による変化などで、そう簡単に都合よく変えることはできません。
これを飲めば体質が変わります、などという宣伝は、たいていがマユツバもので、もし本当にあれば大変健康には良くないものです。
何かを飲めば簡単に痩せる。何かの機械でお腹をプルプル振動させれば痩せるという、肥る原因になった今までの生活を変えずに痩せるという淡い期待を刺激する商品や理論は、たいていがマユツバものです。
それでは皆さんの周りでダイエットに成功した人を思い起こしてください、ダイエットに成功した人は、多少なりとも必ず生活を変化させてそれを習慣化することに成功しているはずです。もし、習慣化していなければ、また元の生活に戻り、多くの方がリバウンドなどと呼ぶことになります。
私達から見れば、生活が元に戻って体型が元に戻らなかったら、そのほうが大変なことなのですが、世間的にはそれが良くないことのように、リバウンドなどと呼んでいます。
実は、生活を少し変えれば(大きく変えるのではなく)たいていは少しずつ痩せるのです。(少しずつが理想)具体的にいうと食事を20%程度減らし、運動の時間を作ることです(多少の調整は必要で一概には言えませんが)。
治療所にみえる、これでもかと肥った方が「どうしたら痩せますか?」とたずねるので、前期のことを話すと「でも、食事を減らすとリバウンドするんじゃないですか?」とか「栄養が不足するんじゃないですか」とか言われます。栄養の不足は食事の量ではなく内容です、そのくらい肥った方に「栄養が不足するのでは」と言われると、私を笑わせるギャグかとも思えて受けたほうがいいのか少し迷うほどです。またリバウンドは続けることができないような無理な食事制限をして続かなくなった結果です。
食事を多少減らし運動を心がければ、少なくても今までよりは痩せます、その生活が習慣化すれば何の苦もなく痩せていけるのですが、この不都合な真実を押し隠すためにダイエット業者は、リバウンドという概念を強調したり、栄養不足やよけいに肥りやすい体質になるなどという理論を植えつけているのですが、多くの方がそのことに気づかず信じこまされているのを、私は歯がゆい思いでみています。
もうひとつ例をあげます。
もともと遺伝的に「お酒に弱い体質」「お酒に強い体質」というのがあります。
しかし、お酒に弱い体質の人が、お酒を飲み続けているうちにお酒に強くなって「以前はビール一杯で真っ赤になっていたのに強くなったね」ということがあったり、お酒に強い体質の人が「このごろ晩酌をしなくなったら、お酒が弱くなって」ということもあります。
このように生活習慣に影響されて、お酒が強くなったり弱くなったりすることがあります。
習慣体質は、遺伝子的に規定されて変えようのない、持って生まれた体質とは違って、生活習慣などにより形成されていく体質、あるいは身体に強くしみついた癖のようなものと考えてください。
本来の意味の体質ではなく、生活習慣がもたらした体質という意味です。
お酒の弱い体質の人でも、毎日飲み続けることで結構いけるようになる、身体がアルコールの分解処理に慣れるといったイメージでしょうか、見かけ上は強い人と変わらない感じになります。そして、多くの場合その体質がアルコールを欲します。
肥っている人はたいていよく食べますが、その生活習慣によって体が大食を欲するのです。
人は活動のエネルギーを食べたものから直接とるか、身体に脂肪として蓄えられていたものをエネルギーとするか、通常両方の形があります。食べるものがふんだんに入ってくれば、食べた物からエネルギーをとり、あまれば脂肪としてエネルギーを蓄えます。逆に食べるものが少なければ足りない分のエネルギーを脂肪組織を分解して補います。
食べるものからふんだんにエネルギーを取り込み、余りを脂肪としてたくわえ、めったに脂肪を分解して利用しない人は、身体がそれに慣れてきます。ですから、少し食事を減らすだけでとてもつらく感じ、身体が食べ物を欲します。
逆に、食事が少なめで、脂肪組織をエネルギーに変えることが日常的な人は、身体がその作業に慣れ食事のエネルギ−が足りなくなれば、スムーズに脂肪をエネルギーに変えますから、多少の空腹はまったく苦になりません。
生まれついての肥りやすい体質、痩せやすい体質、確かにはありますが、このように生活習慣が作る体質(つまり習慣体質)もあり、その体質が欲する生活もあります。
私が、習慣体質を理解すればダイエットは簡単というのもこのためです。
同様のことはアルコールでも言えます。生まれつきお酒に弱い体質、お酒に強い体質はありますが、毎日のようにアルコールを飲んでいて身体が毎日のようにアルコールへの対処をしていると身体はそれに慣れてきます。習慣化して呑めるアルコールの量が増えると同時に身体がアルコールを欲するようになります。
皆さんお回りにも、そんな人がいるのではないでしょうか? ほんらい体質的にお酒は強くなかったけど、付き合いなどで頻繁にお酒を飲んでいるうちに、お酒が強くなり今では呑兵衛の仲間入りという人、つまりもともと体質的にお酒が強いわけではないのですが、習慣体質的にお酒が強くなった人です。
習慣体質の概念、大体はご理解いただけたでしょうか。
これは、便秘解消だけでなく、様々な病気や症状の治療にとても力強い概念です。それでは、この習慣体質をふまえて便秘解消のお話しをします。
習慣体質で便秘解消!
人には、ともすれば便秘になりやすい体質の人と、下痢になりやすい体質の人、そのどちらでもない人がいます。
慢性の便秘で悩む方は、たいていが便秘になりやすい体質です。私のところ(治療所)にみえる便秘の悪い方でも、物心ついてからずっと悪いというわけではなく、たいていは高校の頃は良かった、大学の頃は良かった、前の職場の頃は良かったなど、過去に良い時期があったというのが普通です。もともとの体質は変わらなくても、比較的良い時期もあり現在は悪い状態ということです。
だとすれば、その良かった頃の状態には少なくても戻せることは分りますし、さらにこのホームページにある腸をケアする生活を心がければ、その良かったころよりさらに良い状態も目指せます。もともとの体質は変わらないとしてもです。
私のところに通っていた方から体質が変わったと言われたことがあります。今までは便秘で悩んでいた方が私の腸マッサージとご本人の心がけで、便がすいすい出るようになったのですが、「毎朝すいすい出るんで、ええ、あたしって健康じゃん!とか思って・・・体質が変わっちゃって・・」と話していましたが、これは、体質が変わったのではなく習慣体質が変わったのです。
長年の便秘で困っている方でも、排便の状態が良かった時期があるものですが、その時は習慣体質的に排便の状態が良かったのです。つまり、身体、主に腸が便をスムーズに運んで排便をする、良い癖、習慣がついていたということです。
習慣体質的に便秘解消をするというのは、排便のメカニズムを習慣的に機能する状態にして、その習慣を定着させるということです。
腸の機能面から、もう少し詳しく説明します。
腸は、腸管内に便が来ると、それが刺激になり、便を先へ先へ送る、蠕動運動を始めます。腸はのべつまくなしに動いているわけでは無く、必要なときにスイッチが入り蠕動運動を始めます、そのスイッチを入れる刺激が、腸管内の便が腸を押し広げる刺激なのです。
このへんのことをアニメーションを用いて説明しますが、大切ですので理解するまで良く見てください。
上の図を見てください。これは正常な腸の働きです。
腸の中に便がくると、便のかたまりが腸を押し広げますが、それが刺激となり腸を動かすスイッチが入り蠕動運動が始まります。それが、本来あるべき腸の働き方です。
いっぽう便秘の方は、便が腸を押し広げているにもかかわらずその刺激で腸が動くスイッチが入らないので、当然、便は腸の中で滞ります。下の図です。
便秘の方は常日頃から、大きな便のかたまりが腸の中に滞ることが日常化しているので、便のかたまりが腸の中にあることに慣れてしまい、上の図に示したように大きな便のかたまりがあっても蠕動運動のスイッチが入らず、便が滞り便秘になっています。
これがポイントです。「腸の中に大きな便のかたまりがあるのに蠕動運動のスイッチが入らず、腸の中に便が滞る」それが日常化して習慣体質となっています。
この状態が、慢性の便秘です。
ついでに、便秘薬がもたらす害を習慣体質的に説明します。
私は「便秘薬はいけない」「便秘薬は便秘を治すクスリではなく悪化させる」と言っていますが、この習慣体質を参考にするとよく分かると思います。
上の図を参考にしてください。
ほんらい、腸は便が腸壁を押し広げることが刺激となり、蠕動運動のスイッチが入るものですが便秘薬を使うと便秘薬の薬理的な刺激が蠕動運動のスイッチを入れます。
この強い薬理的な刺激を受けて腸が動き出すことが習慣化してしまうと、ほんらいの便が腸壁を押し広げる程度の刺激では腸が動かなくなってしまうのです。
腸が麻痺して、便秘薬の強い薬理的刺激がないと腸が動かないことが習慣体質化した状態が便秘薬で悪化した便秘です。
腸はだんだん鈍くなるので、どんどん強い薬理刺激(強い便秘薬)を必要とするようになり、便秘薬の悪循環に陥ってしまいます。
便秘解消の決め手!
習慣体質について、習慣体質がもたらす慢性便秘について詳しく説明してきまいたので、前に出てきた不思議な言葉「定期的に排便することが、便秘解消の決め手になる」というのも理解いただけると思います。
つまり、腸の中の便が一定量になると、その刺激で腸が蠕動運動を始めるというメカニズムを使えば使うほどそれが習慣体質化し、腸の中の便が一定量になっているのに腸が動かない状態を続ければ続けるほどそれが習慣体質化します。
ですから、腸マッサージ、腰や背骨のストレッチ、腹式呼吸、食事、良質のサプリメントなど駆使して、腸の動きやすい条件を整え排便することにより、それを習慣体質化させるのです。
腸マッサージをして排便がありました、それではただそれだけです。
雑誌などで便秘に良い、○○とあってもそれでは良くてただ排便するだけです。それを便秘解消につなげる考え方が、習慣体質です。それを続けて習慣体質化することにより便秘解消につながります。
便秘薬や浣腸など腸に不自然な刺激を与えることなく、自然な排便のメカニズムを引き出せば引き出すほど便秘解消につながるということです。
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